2015年度日本スラヴ学研究会研究発表会

2015年度日本スラヴ学研究会研究発表会 プログラム

 

【日時】:2016年3月18日(金)13時30分~18時35分

【会場】:立教大学池袋キャンパス5号館5403教室

 

アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都

心線「池袋駅」下車。西口より徒歩約7分

 

2015年3月18日(金)

 

13:30~13:35   開会の挨拶:  阿部賢一(立教大学、本会企画編集委員長)

13:35~14:45   研究発表Ⅰ  [司会:阿部賢一(立教大学)]

 

①茂石チュック・ミリアム (リュブャナ大学 比較文学博士課程 ):

「 イヴァン・ツァンカル「使用人イエルネイと彼の正義」と夏目漱石「坑夫」

概要:両作品は6ヶ月差で発表されたが、それぞれの物語の社会状況や秩序などは違う。ツァンカルは使用人の「不公平」に注目して、主人公は自分の行動に疑問を持たない。一方、漱石はインナーナレーティヴを通して、ストーリーが語られ、主人公は自分の行動すべてに疑問を投げかける。このような相違点に注目し、ほぼ同時代に生きた両国の大作家が、どのような作品を書いたのかを発表する。

 

②ブルナ・ルカーシュ(無所属、チェコ文学):

「 J.ハシェック『勇敢なる兵卒シュベイクの冒険』の初期受容―検閲との関係を中心に          」

概要:K.チャペックの作品と並びチェコの戦間期文学の代表作に数えられるJ.ハシェックの反戦小説『勇敢なる兵卒シュベイクの冒険』は、日本国内にチェコスロバキア文学への関心が高まりつつあった1930年代初頭に邦訳され注目を集めた。誕生したばかりの日本最初の現代的人形劇団プークによって直ちに演じられたこともハシェックの小説の波及力を示している。本発表では邦訳から人形劇へと焦点を移しながら『勇敢なる兵卒シュベイクの冒険』の受容状況を確認し、その受容は昭和初期の検閲制度によってどのように影響されたのかについて分析・考察を行なう。

 

15: 00~ 16: 10  研究発表Ⅱ [司会:井上暁子(熊本大学)/岡本佳子(東京大学)]

 

 ①島田 淳子(大阪大学文学研究科ドイツ文学専修):

「 翻案から創作へ―リブシェ・モニーコヴァーの『亡き王女のためのパヴァーヌ』におけるカフカの『城』の書き換えを手掛かりに―」

概要: プラハ出身のドイツ語作家リブシェ・モニーコヴァー(1945-1998)は、1970年代の西ドイツ移住後、ドイツ文学研究者から作家 に転身した。小説『亡き王女のためのパヴァーヌ』(1983)では、ゲッティンゲンに移住したチェコ人女性がカフカの『城』の書き換えを通して文学創作に 取り掛かるまでが描かれる。本発表では、主人公が創造する作品世界とカフカの『城』を比較・分析し、モニーコヴァーが文学創作をいかなるものとして描き出 しているかを考察する。

 

② 中村 真(大阪大学 ): 

「レオシュ・ヤナーチェクの民謡研究と旧コスロヴァキア音楽記号学」 

概要: チェコ人の作曲家レオシュ・ヤナーク( 1854 -1928 )がモラヴィア民謡研究から得られた知見を作品創作に応用していたことは、よく知られている。だが彼の民謡研究方法や理念の文脈を位置付ける作業は、あまり行われてこなかった。そこで本発表では、プラハ言語学サークルの一員だった A・シフラ( 1918 -1969 )らの民謡研究における方法との比較を行うこと通して、旧チェコスロヴァキア音楽記号学においてヤナーチェクの民謡研究が占めていた位置を学説史的な観点から考察する。

 

16:15~16:50 研究発表Ⅲ [司会: 佐藤規祥 (中京大学)]

① ダツェンコ・イーホル(名古屋大学大学院国際言語文化研究科後期課程):

「18世紀初頭のウクライナ語の名詞、形容詞の派生語のアクセント法」

概要:接尾辞は派生や形式語の作成に重要な役割を果たすが、自由アクセントを特徴としているウクライナ語や他のスラヴ語などにおいてアクセントの場所を決定することの肝要な要素である。接尾辞のアクセント法の特徴によって、新しく構成 された単語は基体と同じアクセント位置又は基体と違うアクセント位置を占めている。接尾辞のアクセント特徴を考慮して名詞、形容詞を分析する。この発表は18世紀初頭のウクライナの詩に基づいている。

 

17:00~18:30 講 演 [司会:野町素己(北海道大学)] 

Aleksandr Dmitrievič Duličenko (Tartu University, Estonia)

アレクサンドル ・ドゥリチェンコ (タルトゥ大学、エスニア) Fenomen slavjanskix mikrofilologij v sovremennom slavjanovedenii(現代スラヴ学 におけるスラヴ・ミクロ言語文化研究という現象)

(使用言語:ロシア(日本訳配布資料あり;質疑は英語も可) )

* 企画:北海道大学スラブ・ユー シア研究センター

ドゥリチェンコ教授は、ルシン語をはじめとしたスラヴ・ミクロ文章の研究や人工言語などのコミュニケーション論で世界的に知られている研究者。上記分野を中心に、これまで20冊以上の著作を含めた数多く研究成果を世界中に発信している。

 

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2015年度日本スラヴ学研究会プログラム
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