2016年度日本スラヴ学研究会研究発表会プログラム(2017年3月21日、東京大学・本郷)

2016年度日本スラヴ学研究会研究発表会プログラム

 

【日時】:2017年3月21日(火)14 時30分 ~18時30分

【会場】:東京大学 本郷キャンパス 法文1号館2階214教室(会場が変更になりました)

【キャンパスマップ】

http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_01_j.html

アクセス:地下鉄丸ノ内線 本郷三丁目駅から徒歩8分

:地下鉄大江戸線 本郷三丁目駅から徒歩6分

:地下鉄千代田線 湯島駅または根津駅から徒歩8分

:地下鉄南北線 東大前駅から徒歩1分

:地下鉄三田線 春日駅から徒歩10分

 

14:30~14:35 開会の挨拶:木村護郎クリストフ(事務局)

 

14:35~15:10 研究発表Ⅰ [司会:佐藤純一(東京大学)]

清沢紫織(筑波大学)

「現代標準ベラルーシ語の形成と普及における言語純化主義の問題」

概要:本報告では、19世紀後半から活発化していった現代標準ベラルーシ語の形成のプロセスを歴史的観点から概観し、その過程で生じた言語純化主義の問題が現代ベラルーシにおける標準ベラルーシ語の普及にどのような影響を及ぼしているのか考察する。特にペレストロイカ末期からのベラルーシ語復興の気運の高まりの中で一部の知識人層から、より「真正な」標準ベラルーシ語の規範として支持されるようになったタラシケヴィチ正書法を巡る問題を中心に論ずる。

 

15:10~15:45 研究発表Ⅱ [司会:櫻井映子(東京外国語大学)]

石川達夫(専修大学)

「夢見る辞書、2,000億の言葉の宇宙 ――「PDICデジタル チェコ語・日本語辞典」の実現と、スラヴ諸語デジタル統合辞典の可能性――」

概要:報告者は2016年10月に「PDICデジタル チェコ語・日本語辞典」の試用版を公開したが(http://czechdicjp.jimdo.com)、これは新時代のIT技術を駆使して作られた最先端の高速・高機能デジタル辞典であり、人文科学と情報科学のコラボの成果でもある。今回この辞典を作成するに当たって開発したシテスムは他のスラヴ諸語にも容易に応用できると考えられるが、本報告ではこのデジタル辞典の高度な諸機能を紹介しつつ、スラヴ諸語デジタル統合辞典の可能性についても考えてみたい。

 

15:50~16:25 研究発表Ⅲ [司会:木村英明(早稲田大学)]

須藤輝彦(東京大学)

「ミラン・クンデラとヨーロッパ:「時期区分」としての中欧」

概要:ソ連体制が崩壊してから四半世紀以上経った今日、ミラン・クンデラという作家をその全幅において捉える際、亡 命あるいは亡命文学というスキームは間尺に合わなくなってきている。中央ヨーロッパという概念も同様に、クンデラという作家のある時期の特徴、ある時期の姿勢を言いあらわすことはできても、その全体像を描写するには不足があるように思われる。本発表では、多くの場合、チェコスロヴァキア(ボヘミア)とフランスという2つの「時期区分」をベースになされるクンデラ研究において、中央ヨーロッパをその2つの間の過渡期的な段階として考えるとどのような視点が得られるかを考察したい。

 

16:25~17:00 研究発表Ⅳ[司会:ヨフコバ四位エレオノラ(富山大学)]

半田幸子(東北大学)

「ミレナ・イェセンスカーのジェンダー論」

概要:1919年末から執筆活動を始めたミレナ・イェセンスカーは、戦間期を通してジャーナリストとして活躍した。活動の前半にあたる1920年代は主に女性向けの記事を手掛け、新生国家における女性の啓蒙活動に非常に意欲的であった。女性に自立を求めながらも、フェミニズム運動とは距離を置き、フェミニストらの反感を買う二重基準を備えていた。本発表では、ミレナのジェンダー観の詳細とその反響を確認し、当時のチェコ社会及びジェンダー史における彼女の位置づけについて考察する。

 

17:10~18:25 講 演 [司会:阿部賢一(東京大学)]

芝田文乃 (翻訳家、写真家)

「ステファン・グラビンスキ――闇の領域」

概要:いまから約100年前、ポーランド語で奇妙な怪奇幻想小説を書いた人がいた。ステファン・グラビンスキ――彼は人間の目には見えない〈向こう〉の世界を信じていた。怪異を描写して怖がらせるだけの恐怖小説から一歩踏み込み、疑似科学的な説明や解釈を加えたうえで、登場人物が怪異と対峙する筋立ては、現代の伝奇ミステリーやSFに通じるものがあります。〈ポーランドのポー〉〈ポーランドのラヴクラフト〉と称される彼の小説世界の魅力を、翻訳作業の裏話も含めてご紹介いたします。

 

講師紹介: 1964年、神奈川生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。ポーランド語翻訳者、写真家、エディトリアル・デザイナー。1992年より東京、クラクフなどで写真展開催。訳書にレム『高い城・文学エッセイ』『短篇ベスト10』、コワコフスキ『ライロニア国物語』、(いずれも共訳、国書刊行会)、ムロージェク『所長』『鰐の涙』(未知谷)、グラビンスキ『動きの悪魔』『狂気の巡礼』(国書刊行会)などがある。

 

18:25~ 閉会の挨拶:阿部賢一(企画編集委員長)

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